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Denonvilliers筋膜
第5回臨床解剖研究会記録 2001.6.30
Denonvilliers筋膜とは,Denonvilliers(1837)が,腹膜前立腺筋膜と呼んだことに由来する,膀胱・精嚢・前立腺(または腟)と直腸との間に開存する膜性隔壁であり,直腸生殖中隔(直腸膀胱中隔ならびに直腸腟中隔)とも呼称される,腹膜の癒合した結合組織の膜で,Douglas窩の腹膜からPerineal bodyに達していると言われている.
何回目かだけどDenonvilliers筋膜の説明。
Denonvilliers筋膜と称される部は,今回の検討では一定の膜としては観察されず,非常に狭い不均等な幅のspace(腔隙)として観察された.この結果から,直腸授動の際,筋膜に沿って直腸を剥離するという認識は非常に困難であると考えられた.外科的に剥離可能な範囲は男性では,前立腺下端まで,女性では直腸肛門粘膜移行部から約2cmまで(肛門括約筋近傍まで)で,男性よりも女性の方がより肛門側まで剥離が可能であった.
一定の膜としては観察されずということは刺激すれば直接に響くのかな。
外科医からみた直腸周囲の筋膜解剖と機能温存直腸癌手術のための剥離層
第16回臨床解剖研究会記録 2012.9.8
Denonvilliers筋膜は,1836年にCPDenonvilliersにより報告された精嚢・前立腺と直腸との間に介在する筋膜である.女性では直腸腟中隔がこれに相当する.骨盤内の筋膜のなかでは比較的厚い膜として認識できる.同筋膜の尾側は前立腺皮膜もしくは直腸尿道筋に達している.実際の手術の際,多くの症例で前立腺中央部付近にて同筋膜と前立腺との剥離が困難となる.DVFの外側は複数の膜に分かれている.もっとも後内側の膜は下腹神経前筋膜に連続し,温存すべき神経と直腸固有筋膜の境界を形成している
こちらでは骨盤内の筋膜のなかでは比較的厚い膜として認識できる.とある。どっちなんだ。
勃起機能温存
陰茎海綿体神経は骨盤神経叢から出て精嚢の外縁に接するように走り, 前立腺部ではその後外側の前立腺筋膜と前立腺被膜との間を走行している
精嚢を刺激しているつもりが陰茎海綿体神経を刺激しそこから前立腺を刺激しているのかも。
勃起機能を支配する陰茎海綿体神経は精嚢の外方の直腸壁部にある骨盤神経叢より出て精嚢外側, 前立腺および尿道の後外を通り陰茎海綿体に至る. 骨盤神経叢および骨盤神経叢から膀胱, 前立腺, 尿道, 直腸へ分布する枝はイヌなどの動物では腹膜を切開しわずかに剥離するだけで直視下に見ることができるが, ヒトでは術中にこれらの枝を肉眼的に確認することは至難である. このためヒトの膀胱, 前立腺, 尿道の手術時に同神経を温存するためには神経自体は見ることなく, その走行を想定して手術を行なうしかなく, かつこの神経の走行は膀胱, 前立腺, 尿道に接しているためその術式は自ずとこれらの臓器を鋳型のように取り出すものとなる.
肉眼的に確認できないなんて複雑ですね。
自分の前立腺のMRIを撮ってみました
前立腺の腹側に、Dorsal vein complex(略してDVC)と呼ばれる血管があります。この血管が、とても太く発達していました。手術の際には、この血管をまとめて切断しなければならないので、バンチング鉗子という道具を用いて上手に切断しないと大出血を起こす可能性があります。自分が前立腺手術を受ける可能性がある場合は注意が必要だな、と感じました。
人により体内もかなり個性があるみたいですね。
先ほどの前立腺より数cmだけ頭側の精のうとよばれる精液がたまる袋がある部分です。前方には膀胱があり、尿がたまっています。このときは、おしっこをとてもがまんしていたので、私の膀胱はパンパンです。また、膀胱の裏側にはモコモコとした袋状の精のうがあります。よくよく見ると、私の精のうは非常に大きいことが分かりました。私自身、精液の量は多いほうであろうと思っていましたが、精のうが大きいから量が多いのかもしれません。
その日の状態で前立腺の位置も変わっているのでしょう。
前立腺尖部
J-STAGE/日本泌尿器科学会雑誌/100 巻 (2009) 2 号
前 立腺 尖部 は 実際の 手術 に お い て は解 剖 の 個 体差が大 き くそ の 多様性 は 2 つ と して 同 じ個 体 は ない と言 っ て も過 言で は な い 程 で あ る 。 こ の た め 解 剖 の 再 現性 に乏 しく、 難易度や 根治性 、出血 量 な どが 症 例 に よ っ て 大 きく差 が あ る とい う現状 が あ る 。
個体差が大きいと言うのはドライオーガズムに到達できる人できない人の原因かも。
3群 よ りなる 肛 門挙 筋群 ( 恥骨直腸筋、恥骨尾 骨 筋 、腸 骨 尾 骨 筋)、直腸尿 道筋、直腸 縦 走筋 の 理解 が 重 要 で 有る 。 肛 門挙筋 は 一部 で 前 立 腺 尖 部 に 強 固 に癒 合 し、鈍 的剥 離 は不 可能で あ る 。 こ れ は 神経血 管 束 を取 り巻 き、 更に 背側 で は強固な腱 用 の 組 織 に移 行 し、直腸 尿 道筋 と相 まっ て あ た か も前立 腺 を支持す る組 織 の よ うに前立腺尖部に 強固 に 癒 合 す る。
肛 門挙筋 は 一部 で 前 立 腺 尖 部 に 強 固 に癒 合 している。←やはり骨盤底筋を刺激したらドライオーガズムに到達し易いという事でしょう。
肛門挙筋はこれより遠位の尿道周囲では 、尿道に癒合することはなく尿道を取り囲み背側で直腸尿道筋へ と移行 し、前立腺尖部背側 に 癒合する 。
ぐるっと回って前立腺を刺激するのね。
直腸間膜
広島市立広島市民病院
直腸間膜とは直腸固有筋膜で包まれる直腸周囲の脂肪組織のこと
直腸間膜には血管やリンパ節などが含まれる
この図は分かり易いですな。